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スマホアプリ「コインパズル」開発者の日記https://bit.ly/35gpWAB

回顧録10〜ビッグマウス〜

大分間が空いてしまったが、応募後の話を書いていきたい。
応募して3ヶ月くらい経って、全然連絡が無かったので、もうダメかな、と思っていた。
 
ある日突然、家の電話が鳴った。
トキワ荘プロジェクトの家には固定電話があるのだ。
 
住所を書いたが電話番号を書き忘れていたらしく、住所からトキワ荘事務所に問い合わせて、連絡してくれたらしい。
佳作だった。
普通、奨励賞しか出ないらしく、担当さんは非常に褒めてくれた。
以下がその受賞作である。
同居人にも半分はT氏の力である事を忘れてドヤ顔した。
 
 
ちょうどその頃、トキワ荘プロジェクト入居直後に撮られたテレビ番組が放映となった。
収録終了から2年くらい経った頃である。
私はせっかく受賞したのだから、その情報を追加してくれ、と頼んだが映像を差し替えるのはもう間に合わないらしい。
 
放映時、漫画のアシスタント(以前書いた先生のところ)中で、電話が鳴りまくるので、外に出て話た。
高校と中学の同級生から1人ずつ電話があった。
「あの漫画のココを変えた方が良い」とか「意外と頑張ってたんだね」などとどちらかというと肯定的なコメントをもらった。
 
漫画のアシスタントからから帰ると、トキワ荘にはDVDが送られて来ていた。
さぞやかっこ良く映っているのだろうと期待したのがアホだった。
私はビッグマウスというあだ名を付けられて、相当ないじられっぷりだった。
その上、コメンテーターに「ご両親の心情を思うとやるせない」などと言われる始末。
 
その後、映画学校時代の友人のW氏から、Yahoo!知恵袋でお前の記事が出ている、と教えてもらった。
Yahoo!知恵袋でのやり取りは以下の様なものだった。
「某番組に出ていた男性が印象的でしたが、漫画家になれるのでしょうか」(ID未登録さん)
「漫画家などになれる訳もなく、才能もありません。大卒ですが、新卒の時期を逃しているので、再就職は難しく社会の底辺にいて、再帰不可能です」(ベストアンサー)
「ありがとうございます。やっぱりそうですよね!」(ID未登録さん)
ボコボコに叩かれているという記事をわざわざ教えてくれんでも良い、と心から思った。
 
世の中には、理路整然と大学教授の様に、無防備な若者を踏み潰せるヤツが居るのだ。
社会の正しさを主張する親戚の叔父さんの様に、一般的に正しいとされる事をネットに書いて、さも自分は偉いと言いたい連中がいるのだ。
何故か時々、この記事を読み返しては、胃液が食道を上がって来るのを感じてしまう。
読むだけで一瞬で不快になれる呪いの文章だ。
 
 
 
その頃、スピリッツに漸く受賞者のページにワンシーンだけTさんとの漫画が載った。
当時住んでいた東京都練馬区、富士見台の焼肉屋、「牛蔵」で入居者から祝ってもらった。
トキワ荘(プロジェクト)に住み始め、3年目の春だった。