プログ

スマホアプリ「コインパズル」開発者の日記https://bit.ly/35gpWAB

ヨーロッパ旅行紀 5日目、6日目

5日目「ノートルダム・クロス」

はじめに言っておきます。
このタイトルは漫画家の水野トビオ先生にこの日の思い出を話したとき、付けて頂いた物です。


この日はパリの名所を巡る事にしました。
まず、宿はモンマルトルでしたので、近くのサクレクール寺院


次に凱旋門


からのシャンゼリゼ大通り→ルイヴィトン本店


Sさんは、ココだけの話ですが、シャンゼリゼ大通りで踏んでしまった犬の糞を、ルイヴィトン本店のカーペットで拭いたそうです。
皆様もシャンゼリゼ大通りを歩かれる際には犬の糞にご注意を!!


さらにエッフェル塔






写真は全部、ありません。



まぁ、そんな感じで一通りパリの名所を巡った後、ノートルダム大聖堂に行き着きました。
ノートルダム大聖堂では、何と、儀式が。
キリスト教の偉い方も居て、パイプオルガンが鳴り響き、若い方がお香を振りまいています。
そして聖歌。

ボクは立っていたのですが、教会の方に椅子に座る様言われました。
そして30分くらい、異国の神聖な儀式を体感しました。
そして最後に神父の方が参加賞の様なおせんべい?を配りはじめました。

私も流れでその列に加わります。
順番通りにおせんべいを渡され、私も食べようとしたその瞬間。
神父の方が言いました。



Are you a christian?









Yes.




そう答えるしか無かったのです。
嘘吐きの私をお赦し下さい。



しかし、神父様は赦して下さいませんでした。
おせんべいを取り上げ、フランス語で何かモゴモゴと言ったあと、指で私の額にばってんを付けました。







その時思いました。
絶対呪いだと。
私は呪いをかけられたと感じました。
そう、ノートルダムクロスを喰らったのです。


いろいろな負の感情を胸に私は寺院を後にしました。。




その日私はヨーロッパの人々の信仰心を甘く見ていたと思いました。
みんな真剣に天国に行こうとしていました。







6日目「赤い悪魔の日」

フランスには危険な空気が漂っていました。
いつ何かをスられるんじゃないかと、かなりキョロキョロしながら電車に乗ったり街を歩いたりしていました。
しかし、ベルギーはと言うと、駅に降りるや安全で清潔な雰囲気に包まれているではありませんか!!



これはもう、大丈夫だろうと思ったのが運のツキでした。
いや、運は昨日ノートルダムクロスを喰らった時点でゼロにされていたのかもしれません。。





そう、パクられたのです。
バッグごと。



私がベルギーの地下鉄の改札付近を歩いていると、後ろから変な男にペタリと何かを付けられました。
これはシールか何か付けられたな、悪戯されたな、とすぐ分りましたが、そのまま歩いていました。


そしたら、前から歩いて来た別の男に大笑いされました。
「お前、痰付いてるぞ!」
言葉は分りませんが、そんな事を言われた気がしました。


恥ずかしくなった私はジャケットを脱ぎ、後ろに付いている物を確認しました。
痰と言うか、鼻水がジャケット全面にベットリ付いているのを見て、私はギョッとしてしまいました。
くっそ〜、さっきの野郎・・


そう思っていると、その痰が付いている事を指摘した男が親切そうにティッシュを持って来てくれて私に渡しました。


サンキューベリーマッチ!


そう言って私はその鼻水みたいなのを拭き始めました。
そして拭き終わってキャリーを見ると何か足りません。


そう、リュックサックが丸ごと消えているではありませんか!
顔を上げると、階段を上って猛スピードで去っていく男
もうとても、追いつく距離ではありません。






目の前が真っ暗になりました。





たかが盗難。されど盗難。
顔面にストレートを受けた様なショックでした。



ダメもとで重いキャリーを抱え、ダッシュエスカレーターを登りますが男はもういません。
たむろしている黒人、気取った白人、イスラム圏のスカーフを被った女性・・
キャリーを抱えて不安そうにキョロキョロしている自分は完全にストレンジャー
駅前に点々と血痕もあります。





海外って怖いな




心底思いました。

それから近所の電話屋から色々なところに電話して、警察に被害届を出しに行きました。
状況を片言の英語で伝えます。
ふいに「Your job?」と聞かれ「Teacher」と答えました。
そこでデブった刑事は少し怪訝そうな目で私を見て、こう言いました。



I hope that you are not a English teacher.



そう言って刑事さんは爆笑。私は苦笑いしました。
少し気分も和みました。


その頃に漸く気付いたのですが、バッグの中に入っていたのはiPhoneとデジカメで、パスポートと財布とクレジットカードは無事でした。
そんな理由でフランスの写真は全部消えました。
ただ、旅を続けるのに最低限必要なモノは残っていたのです。

その日はマグリット美術館とブリュッセルで有名なナントカ広場に行きましたが、あまり覚えていません。
マグリットは好きな事やってるな、私もそうしよう、そんな事を考えていた気もします。



その日の夜はホテルアイビスと言う立派なホテルに泊まりました。
精神的に参っていたので、そうする事で少し回復できるかな、と思ったのです。
しかし、英語がヘタクソな事をフロントに笑われ、結構凹みました。
普段なら笑って返せますが、ただただ凹んでいました。



その夜は、ノートルダムクロスがやはり呪いで、この後自分を様々な災厄が襲うんではないかと、メチャメチャ不安になっていました。
そう言うオカルト系に弱い自分です。
果たして無事、日本に帰れるのか・・
そんな気すらもしていました