■

話題の北野武監督新作を見る。
今の自分が見るには、あまりに痛々しい話であった。
いつまでも売れない芸術家が、ひたすら周りに迷惑を掛けながら、芸術をやっている。
主人公、マチスは、絵が好きな少年で、ひたすら絵ばかり描いて大人になる。
しかし、売れない。
画商は彼にいろいろとアドバイスをするが、彼はそれを全て鵜呑みにして、人まねばかりしている。
受けよう、と思ってバカ正直に絵を描いている。

でも、彼自身、矛盾していると思う。
人間に受け入れられよう、としているのに、自分の身の回りの人間は全然大事にできてない。
自己満足に徹するなら、誰かに受け入れられようとする態度は捨てるべきだし、
人間に受け入れられられようとするなら、身の回りの人にもそれなりの配慮はすべきだ。

そのへんをしっかり考えれなかったから、マチスの芸術はダメだったんじゃないかと、個人的には思う。