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スマホアプリ「コインパズル」開発者の日記https://bit.ly/35gpWAB

バリー・リンドン

ある男の栄枯盛衰を描いた物語
この映画を見てボクは、「年功序列」はある意味で幸せなシステムなのではないか、と思った


男は思う
「出世したい」
しかし、出世するだけしてしまえば、あとは落ちるしかないのだから
上る才能の持ち主は、意外と維持する才能は持ち合わせていない様で、上ったからには落ちるしかない
そう言う意味で、「上る才能」と言うものは存在せず「変化を好む体質」と言うのが正しい言い方なのかもしれない


だから、ゆっくりとした成長、と言うのが人生にとって一番の幸せなのだ




それにしてもスタンリーキューブリックは恐ろしい才能の持ち主だ
ワンカットワンカットに隙がなさ過ぎる


ボクは、小心者なので、バリーが落ちぶれて行く姿をDVDを何度も止めながら見ました
そして、やりきれなくなって、約半月ぶりにタバコを吸いましたとさ


そんな辛い思いをしてまで何でヒトは映画を見るのでしょうか
きっと「経験」をしたいからだと思います
普通に生きても絶対にできない経験をして、成長したいんだろうなぁ、と思います
だから、映画や小説を読むと言うのは、単に楽しむだけでなく、人間として大きくなれる行為だと信じています
ゆっくりと成長したいと思います





〜以降ネタバレ〜




バリーの義理の息子、ブリンドンは、バリーに家を乗っ取られた恨みがあり、決闘を申し込む。
一発目 ブリンドンが撃つ事になる。ブリンドンは相手の殺すという重みのためか、銃を誤って撃ってしまう。
二発目 バリーが撃つ番である。しかし、ブリンドンは死の恐怖に怯え、嘔吐する。バリーは興を削がれたのか、ブリンドンへの慈悲の心が芽生えたのか、明後日の方向を撃つ。
三発目 ブリンドンはいささか平静を取り戻し、バリーの足に玉を命中させる。


バリーは左足を失う結果となってしまう。そこへブリンドンからの手紙が届く。内容は、バリーが逮捕直前の身であると言う事と、私の言う通りにすれば、それから救ってやろう、というものだった。それは、イングランドから出て行き、ブリンドンからの年金を受け取ると言うもの。
それは多分、決闘のとき、ブリンドンがバリーに命を救われた時に受けた屈辱と慈悲に対する報復なのだと思った。
キューブリックの中に流れるテーマとして、「因果応報」は大きく、それは、「時計仕掛けの〜」とか「フルメタルジャケット」とかにも現れる。
常に主人公には、自分の人生でやってきた事が、そのまま降り掛かってくる。


でもそれって、ボクもよく感じる事で、ボクの中でそれは「作用反作用の法則」と言う事になっている。
一番分かりやすい例が、自分の嫌いなヒトは相手も嫌い、ってヤツで、最近そう思う事ばかりだ。
結局一般論に落ち着くのだけれど、自分の人生や見ているものは、だいたい自分がやって来た事の結果なんだなぁ、としみじみ思う。