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スマホアプリ「コインパズル」開発者の日記https://bit.ly/35gpWAB

生物と無生物のあいだ

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

今意外と話題のこの本
火曜11時くらいにNHKでやってる「爆笑学問」にも出演されている福岡先生が書かれております
福岡先生は意外と詩人なんですよ
文章表現が詩的で、内容は理系なのに、理系のヒトが書く様な無機質な感じがしない


この本、何かと凄いんですけど、一番衝撃的だったのは
「人間は一年もあれば材料が全部入れ替わる」
と言う事


どういう事かと言うと、人間は、モノを食べて、新陳代謝して、見た目は変わらないけど、老廃物が排出され、新しい細胞が作られている訳ですよね
もっと細かく見ると、原子が体からはがされ、新しい原子が体にくっつくわけですよ
原子レベルで見ると、体の中に一年前に存在した原子は、新陳代謝によって、現在一つも体内に存在しないと言う訳


建物に例えるなら、少しずつに取り壊されては立て直され、一年後には、誰も気付かないけど全て改築が完了してしまうと言う事
そのシステムの裏にあるのは、もちろん遺伝子で、建築現場の棟梁の様に、新人タンパク質に「お前はあっち行け」と指南する
その遺伝子も2対あり、それぞれが互いを真似して、伝言ゲームの如く新陳代謝を繰り返す
しかも、伝言してすぐ伝えたヤツは消える
人間と言う形の中をもの凄い量の分子が通り抜けて行く


これって凄く無いですか?
人間は「個」と言うよりは「制度」みたいなモンなんだと


例えば日本と言う国も、親世代から子世代へ文化や国民性がそれとなく伝えられ、変化を繰り返しつつも「日本」を保っている
人間一人一人も何かそんな感じだと


理系的な内容だけれど、それを超えて、なんかいろんなモノの見方変わるよなぁ
人間は物質的には一年前と全く別人になっている、と言う事実は、非常にポジティブな感じがする